パラスポーツ

【第2回】パラスポーツってなんだろう

 前回の記事はパラスポーツの始まりについてでしたね
MUDA

なんとなく歴史はわかりましたが,やっぱりパラスポーツというからには聞いたことのない競技とかも多いんですかね?

パラスポーツには珍しいものもたくさんあるんですよ!細かいパラスポーツは追々紹介するとして,まずは夏季パラリンピック種目を一緒に学んでいきましょう!
MUDA

本日の話題:
夏季パラリンピック競技について

 

この話が役立つと想定される方

・パラスポーツに興味がある人

・夏季パラリンピック競技を知りたい人

・パラリンピックをもっと楽しみたい人

パラリンピックの元となった国際ストーク・マンデビル競技大会については前回ふれさせていただきました!
復習ですが,第1回パラリンピック(第9回国際ストーク・マンデビル競技大会)は1960年にイタリアのローマで開催されています.
この時は,23ヵ国,400名と非常に少ない参加者で行われました.ローマオリンピックの規模が83ヵ国,5338名ということを考えるとパラリンピックの規模がどれぐらいだったのか少しイメージがつくかもしれません.

では,そんな小さな規模で開催されたパラリンピックはどのように成長を重ねていったのでしょうか.パラリンピックという名称になるまでにもやっぱり歴史があるんです.

 

パラリンピックは正式名称?

みなさんの中には "国際ストーク・マンデビル競技大会" なんて聞いたことないぞ!パラリンピックって昔からあったんじゃないのかと疑問に思う人もいるかもしれません.

逆に "国際ストーク・マンデビル競技大会" の方がかっこいいのに何で呼び方が変わったの?と思う人もいるかもしれません!

パラリンピックっていつから使われるようになったんですかね…

少しパラリンピックの歴史をみてみましょう.

何か気づきましたか?そうなんです,パラリンピックという名称が使われ始めたのは1988年の韓国で行われた大会からなんです.ソウルオリンピックといえば聞いたことがある人も多いと思いますが,この時ソウルパラリンピックという名称も公式に使われるようになったのです.

以降の大会からはすべてパラリンピックという名称で統一されて,現在も使用されているんです.やはり,名称が統一されている方が記憶にも残りやすいですよね!!

もう1つ,気になった方もいたかと思うのですがなぜ1984年に開かれた大会の開催国がアメリカとイギリスの2ヵ国なんだという点ですね.
もともとはアメリカのイリノイ州が開催の予定地とされていたのですが,経済的な事情からイギリスで開催されるようになったみたいです.
また,単純に競技ごとで分けるのではなく,アメリカでは立位の選手が,イギリスには座位の選手が集まり激闘を繰り広げた珍しい大会として記録に残っています.

色々なところで紹介されているので知っている方も多いと思いますが,当時のパラリンピックは「Paraplegia + Olympic」からできた言葉であり,対麻痺の人のオリンピックという意味が強い表現でした.その後国際オリンピック委員会がParalympicsという名称を使うことに同意されたことで,「Parallel + Olympic」という解釈に変わっていき,オリンピックの後に開催されるもう1つのオリンピックという認識が広がっていったのです.

 

夏季パラリンピックの競技っていくつあるの?

さて,ここからは少し競技についてふれていこうと思います.下の図は夏季パラリンピックで実際に行われた競技の数を示したものになります.

図からもわかると思いますが,リオ2016パラリンピックでは22競技が実施されました.ちなみにですがクラス分けにより競技の中でも障がいに合わせて分けて実施された結果,種目数は528種目と驚愕の数字となっています!!

東京パラリンピック2020(2021年開催予定)でも22競技の開催が予定されていますが,私としては競技人口や参加選手数を考えると22競技でも多いなと感じています.その理由の1つとしては先ほど少しふれた,クラス分け制度が関係するのですが,その話はまたどこかでできればと思います.

東京オリンピック2020では33競技の実施と11000人以上の参加選手を予定していますが,この規模と競技数から考えてみても,今後パラリンピックの競技数の増加はほとんどないと思います.そうなってくると,次の展開としてパラリンピックの質がどのように高まっていくのか・高めていくのかが個人的には非常に楽しみです.実際に競技の入れかわりやクラス分けの整備などが続々と行われていますので,東京オリパラ以降の競技の認知度の変化やクラス分けというのは1つの着目点ですね.

ちなみに,この図は3色の棒グラフで作成したのですが,気づいた方いましたかね.

1番薄い色は参加国が50ヵ国未満の大会,真ん中の色は参加国が50~100ヵ国の大会,1番濃い色は100ヵ国以上になった大会と私が勝手に色を塗り分けています.参加国数が50ヵ国を初めて超えた大会では,競技数が一気に5つも増やしていますね.ちなみに50ヵ国を超えた大会も100ヵ国を超えた大会もどちらもアメリカが開催国という面白いことがわかりました.宣伝の方法か,障がい者が参加しやすい環境が整っていたのか理由はわかりませんが,こういうのを見ていくのも面白いですね!!2028年にもアメリカで開催されますが,どのような特徴が出てくるのか今から楽しみです!!

 

夏季パラリンピックで行われてきた競技

これまでのパラリンピックの中で,実施されてきた競技を数えてみたところ29競技もありました.(数え間違い等ありましたらご連絡ください)

赤色の22競技は東京で開催される時に行われる競技になります.東京パラリンピック2020ではバドミントンテコンドーが新しく採用されました.

新競技でメダル獲得も期待されている,バドミントンについて詳しく知りたい方はこちらからどうぞ

 

もともとは国際ストーク・マンデビル競技大会であったことも影響していると思いますが,昔はイギリス発祥のスポーツが中心に行われてきたようですね.

ボウリングやボッチャとよく似たローンボウルスビリヤードに似ているスヌーカーイギリスで盛んなスポーツです.近年ではアジアでも人気が高まってきているようですので,再びパラリンピック競技候補に名乗りをあげることもあるかもしれません.

その他,ダ―チェリーと呼ばれるアーチェリーに似た競技も以前は実施されていました.

全部を制覇するのは大変ですので,まずはお気に入りの競技を見つけて楽しむことからはじめてみましょう!

 

余談

セーリングや脳性まひ者7人制サッカー,切断者のサッカーであるアンプティサッカーなども新競技や復活する競技の候補としてあがっていましたが,今回の東京では採用されませんでした.パリやロサンゼルスではどのような競技が行われるのかも着目する点になるかと思います.東京で予定される22競技の中で13競技は現場で選手のサポートをしたり,体験したことがありますがどの競技もそれぞれ違った魅力があり楽しいです.私としては視覚障がいの選手のすごさが特に際立つゴールボールや5人制サッカーなどの "視覚障がい×チームスポーツ" には1つ注目しています.

第2回は夏季パラリンピック競技の紹介ということでお楽しみいただけましたか?
MUDA

また少し成長することができた気がします!!次は冬季パラリンピックも勉強してみたいですね

わかりました,次回は冬季パラリンピックの競技を一緒に学んでいきましょう!
MUDA

パラスポーツの歴史を知りたい方はこちらから

【第1回】パラスポーツってなんだろう

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参考資料


・日本パラリンピック委員会  (最終閲覧日:2020年5月16日) https://www.jsad.or.jp/paralympic/jpc/

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