パラスポーツ

下肢切断者と体温調節の不思議

蒸し暑い季節がやってきましたね.全身から汗が噴き出ています.
汗をかくことは体温を下げる点では非常に良いことですね!ただし,パラスポーツの中でも切断の選手では汗をかける場所が制限されてしますのでどうやって体温を調整しているのか気になるところです
MUDA
なるほど,そんなこと考えたこともなかったですね.どうなんでしょう?

 

本日の話題:
下肢切断者はどのように体温調節をしているのか

 

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この話が役立つと想定される方

・下肢切断者の体温調整について知りたい人

・下肢切断者と関わることがある人

 

一般的なスポーツ選手と同様にパラリンピックを目指す選手も日々厳しい練習を続けております.特に今からの時期は蒸し暑い時期が続き体温を調整するために,たくさんの汗をかくことが予想されます.切断の選手は身体の一部分がないため,汗をかく際にも普通の人と比べて汗をかける部位が少ないということが予想されます。そこに対して,日本の暑熱環境対策に力を入れている研究者が切断者の体温調節の適応ということで解明を試みました.

今回は,そんな切断者の方々がどのようにして汗をかき切断部位がない方々と同じような体温調整を行っているかについて迫りたいと思います.

【下肢切断についての知識】

下肢の切断には大きく分けて6種類あります.①の足部レベルの切断についてはさらに細分化することができますが,その話はまた機会があればしようと思います.今回の話に出てくる対象者は②下腿切断と④大腿切断の2つの切断レベルとなります.

 

 

【目的・方法】

今回紹介するのは室温32℃,湿度50%の高温環境に設定されてた人工気象室の中で,個人の上肢エルゴメータ最大出力の60%に設定された運動を60分間行うというものです.

確認する内容は直腸温,皮膚温,皮膚血流量,発汗率,脱水率,温熱に対する主観的な快適性,運動に対する自覚的なきつさとなっております.

 

【結果】

下肢切断者は熱がこもりやすいと仮説をたてていたようですが,実は熱を放散して体温を下げる能力にはそこまで大きな差がないということを報告していました.ただし,左右同じ部位から抽出された発汗量が切断側よりも非切断側で多いということ,今回比較対象として測定を実施した切断がない対象と比べると総発汗量が下肢切断者では多いということが分かったようです.

 

下肢切断の人は切断してない人と比べて,たくさん汗をかいているんですね.人の適応ってすごいですね.
残されたものものを最大限に生かす,この言葉は障がい者の身体適応というところにも反映されているんですね.
MUDA
下肢切断の人は特に水分をしっかりと補給することが大切になるんですね.勉強になりました!

 

文献タイトル

Hasegawa, Hiroshi, et al. "Thermoregulatory responses of lower limb amputees during exercise in a hot environment." Journal of Thermal Biology (2020): 102609.

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0306456520301364

 

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