
外出自粛やテレワークが推進され、料理をする時間が増えたと色々なところで聞きますが皆さんはどうでしょうか?今回はチーズと健康(メタボ)に関する話題を提供しようと思います、チーズを食べて身体の調子を整えましょう!
チーズ以外の乳製品と健康に関する情報も入っているのでお見逃しなく!

MUDA
【本日の話題】チーズはメタボリックシンドロームの予防に役立つのかという話題をレビュー(様々な報告をまとめた論文)より紹介
【予備知識】
日本と海外では用いられている診断基準が少し異なります!!
メタボリックシンドロームの判断基準〈海外版〉
- 腹部肥満(女性:ウエスト ≧ 88 cm、男性:ウエスト ≧ 102 cm)
- 空腹時血糖 ≧ 5.6 mmol/L (100.8 mg/dl以上)
- 血圧:収縮期(最大)血圧 ≧ 130 mmHgかつ拡張期(最小)血圧 ≧ 85 mmHg
- HDLコレステロール値(女性: < 1.3 mmol/L (50.3 mg/dl)、男性: < 1.04 mmol/L(40.2 mg/dl))
- 高脂血症: ≧ 1.7 mmol/L ( ≧ 150.6 mg/dl)
メタボリックシンドロームの判断基準〈日本版〉(厚生労働省HPより)
- 腹部肥満(女性:ウエスト ≧ 90 cm、男性:ウエスト ≧ 85 cm)
- 空腹時血糖≧110 mg/dl
- 血圧:収縮期(最大)血圧 ≧ 130 mmHgかつ拡張期(最小)血圧 ≧ 85 mmHg
- HDLコレステロール値 < 40 mg/dl
- 高脂血症: ≧ 150 mg/dl
【はじめに】
- メタボリックシンドロームは心血管疾患やⅡ型糖尿病などの発生リスクを高める
- 牛乳やヨーグルトの摂取はメタボリックシンドロームを予防するうえで役立つと知られており、特に牛乳は1日の摂取量が200 ml増えるごとに心血管疾患のリスクが6%減少するという報告がある
- 最近では加工食品であるチーズにも抗糖尿病、降圧作用、抗酸化作用、コレステロール低下作用、抗肥満、抗炎症作用を発揮するとされる乳タンパクに由来するペプチドが存在することがわかり注目が集まっている
チーズが身体にもたらす5つの効果
糖尿病を予防する
- 週に4食以上チーズを摂取すると糖尿病リスクは70%低下、週に1食未満でも糖尿病リスクは63%減少
- 1日30gや50gのチーズの摂取量は糖尿病発症リスクが低下
- 最適なチーズの種類は明らかになっていない
- 食べる量を急に増やす(1日0.5食分以上)と糖尿病発症リスクに繋がる可能性も指摘されているため、増やすときは少しずつ増やしていく必要がある(例:普段30gとっている人が次の日に45gより多く取るなど)
降血圧作用がある
降圧に貢献するペプチドが最も多かったチーズ
→ スイスのベルナーオーバーラント産スライスチーズ
- その他に効果がありそうなチーズ
ゴーダチーズ、チェダーチーズ、ブリーチーズ、フォンティーナチーズ、ゴルゴンゾーラチーズ、ブルーチーズ、ハバティチーズ など
- 適切な摂取量として、1日30~40gの量が高血圧の症状を改善させて心血管疾患の発症リスクを低下させる
抗酸化作用がある
抗酸化作用:細胞の酸化を予防して身体を健康な状態に保つ作用でこの作用が働くことでアンチエイジングやアテローム性動脈硬化症、関節炎、糖尿病の予防に貢献するとされている
- チーズの熟成期間に依存するとされ、熟成期間が長いほど抗酸化作用は減少するといわれるが、細かいことはわかっていない
- 今後の研究報告次第では注目されるかもしれません
コレステロール値を下げる
- 乳清たんぱく質(ホエイプロテイン)を食事と一緒に摂取することでコレステロール値を下げることができる
- 1日300mg/kgのラクトスタチンの摂取が悪玉コレステロール値を低下させて善玉コレステロール値を増加させた
- しかし、これらは動物実験レベルの報告であるため、人間に適切な量や摂取期間など詳しいことはよくわかっていないため今後に期待
抗肥満・抗炎症作用がある
- どのチーズの種類が良いかはまだわかっていないが、今のところチェダーチーズには抗炎症作用の役割を果たすペプチドが存在することがわかっている
- ただし、この効果のみを純粋に求める場合には大豆由来のプロテインを摂取する方が高い効果を得られる
本日のおさらい
- チーズには5つの身体によい効果がある
- まずは1日30gの摂取から
- 週に4食以上はチーズを食べよう
- 血圧が気になるならスイス産のスライスチーズ
- 万能を求めるならチェダーチーズ
チーズにこんなに良い効果があるとは知りませんでした!とりあえず、私はチェダーチーズを食べます!!

MUDA
文献タイトル
Iwaniak, Anna, and Damir Mogut. "Metabolic Syndrome-Preventive Peptides Derived from Milk Proteins and Their Presence in Cheeses: A Review." Applied Sciences 10.8 (2020): 2772.
https://www.mdpi.com/2076-3417/10/8/2772
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト(最終閲覧日:2020年5月4日)