
【本日の話題】暴力要素や対話型要素を含むゲームはその後の攻撃的な思考や行動に影響するのか
【はじめに】
・暴力要素を含むビデオゲームと個人の攻撃的な思考や行動に関してはよく議論される話題である
・個人の攻撃的な思考や行動に影響するのであれば、どれほどの影響を与えているかを知ることは大切である
・攻撃的な思考や行動に関連するものとして、もともとの性格や家庭内暴力、性別などの影響が知られている
・暴力要素を含むゲームの中でも対話型要素(プレイヤーが色々な操作をできる)やプレイヤースキルの違いで個人の攻撃的な思考や行動に与える影響は異なる可能性がある
【対象/方法】
・191名の大学生(女性115名、男性75名、非公表1名)、平均年齢19.8歳
・ビデオゲームのスキル:Novice(38.2%)、Casual(42.4%)、Avid(15.2%)、Expert(4.2%)
・対象は4種類のシューティングゲームにランダムに振り分けられ約10分実施
- 暴力要素が多い+対話型の要素が多い
:リアルな武器、音、血痕や弾痕の描写が特徴であり、キャラクターの動き(走る、歩く、跳ぶ、しゃがむ)や武器の使用(武器の切り替え、手動または自動でのリロード)を自身で操作できる - 暴力要素が多い+対話型の要素が少ない
:リアルな武器、音、血痕や弾痕が特徴であり、動きの自由度や武器の使用方法の選択肢は限られる - 暴力要素が少ない+対話型の要素が多い
:リアルな武器、血や弾痕の描写はない(ファンタジー感が強い)、相手は撃たれると動いたり悲鳴をあげたりする - 暴力要素が少ない+対話型の要素が少ない
:リアルな武器、血や弾痕の描写はない(ファンタジー感が強い)、相手は撃たれても静止している
上記のビデオゲーム実施後に攻撃手な思考や行動にどのような影響を与えたかを調査
【結果】
・暴力要素の多い、少ないは攻撃的な思考や行動へ影響を与えない
・プレイヤーのスキルと対話型要素のレベルが一致した場合に攻撃的な思考や行動を増加させる
・プレイヤーのスキルと対話型要素のレベルが一致しない場合には攻撃的な思考や行動を減少させる
今日のひとこと!

文献タイトル
Weber, René, et al. "Video Game Violence and Interactivity: Effect or Equivalence?." Journal of Communication (2020).
https://academic.oup.com/joc/advance-article-abstract/doi/10.1093/joc/jqz048/5823594
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価格:2,480円 |