

そのため,ハンドボール選手はガタイが大きい人が多いと思いますが,ウエイトトレーニングで身体を大きくすることも重要になります.





本日の話題:
ハンドボールにおける効果的な肩外旋筋トレーニング
ハンドボールでは,スローやパスの繰り返しにより肩関節はかなりのストレスにさらされており,肩の問題を抱えている人は22〜28%と多いです.
最近,肩外旋筋力や肩内旋可動域,肩甲骨のコントロール,胸郭の可動性,運動連鎖のエクササイズからなる肩障害予防プログラムが,ハンドボールにおける肩のオーバーユースの問題を予防することが実証されています.
しかし,プログラムのアドヒアランス(患者が積極的に治療方針の決定に参加し,その決定に従って治療を受けること)は低く,主な障壁はプログラムの長さと選手のモチベーションの欠如でした.
そこでこの文献の著者らは,プログラムの短縮が効果的であることを示唆しています.
投球側の肩外旋筋力の弱さは,最も重要なリスクファクターとして考えられています.
前述した予防プログラムにも肩外旋筋に対するエクササイズが含まれていましたが,外旋筋力に影響を与えないことが報告されています.
そこで,ハンドボールを対象とした,アドヒアランスが高い肩外旋筋力をターゲットとした,短時間で効果的なプログラムをデルファイ法を用いて開発することを目的とした研究です.
方法
肩外旋筋の活性化が高いエクササイズをみつけるために,肩のエクササイズに関する筋電図学的研究を文献レビューで行った.
選定したエクササイズをイラストを用いて詳細に説明し,それぞれのエクササイズに対して以下の2つの発言を行った.
『このエクササイズは外旋筋力に効果的なエクササイズである』
『このエクササイズはハンドボール選手が固執するエクササイズである』
専門家には,それぞれの供述に対する回答をVASで評価してもらいました.
肩やハンドボール選手を担当している3人の理学療法士にアンケートを見直してもらい,よりシンプルでわかりやすいものにするための改善点を提案してもらいました.
デルファイ法は5つのラウンドを使用した.
結果
1つの筋に対して2つのエクササイズを3セット行うことは,適度なトレーニング量として定義され,上半身の最大筋力と平均パワーの向上に効果的であることが示されています.
加えて,筋または筋群全体を対象とするエクササイズのバリエーションを使用することが推奨されています.
つまり,単一平面のエクササイズと複合エクササイズをそれぞれ一つずつ行うとよいということです.
そこで有効性とアドヒアランスの両方が高く,コンセンサスが得られた2つのエクササイズがこれです.
文献タイトル
Fredriksen, Hilde, Ann Cools, and Grethe Myklebust. "Development of a short and effective shoulder external rotation strength program in handball: A delphi study." Physical Therapy in Sport (2020).
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1466853X20301449?via%3Dihub