大腿義足ユーザは膝より上を切断されていますので,膝を曲げ伸ばしすることができません.
そのため,基本的に大腿義足には膝の代わりとなる機能が求められます.
この機能を果たす部品を「膝継手(ひざつぎて)」と呼びます.
現在,沢山の種類の膝継手が開発されていて,それぞれ個性があります.
よい義足をデザインするためにはひとつひとつの個性を知らなければいけません.
限られた選択肢しかないのは,もったいないですよね.
今日は色を変えて膝継手の機能を紹介したいと思います!
【本日の話題】立脚相でのKenevo (ケネボ)の機能 (義足膝継手の種類と機能シリーズ①)
Kenevoは2019年に登場した膝継手です.
今日はまず,Kenevoの立脚相制御についてご紹介いたします.
(後日,遊脚相制御,特殊機能,科学的有効性の3つの記事もあげる予定です)
よければ,はじめに開発者ホームページを見てなんとなくの概要を掴んでみてください.
私が膝継手の機能を学ぶ時にはまず歩行時の機能を確認します.
膝継手は基本的には歩行するために使用されるからです.
義肢学では,義足膝継手の制御機能は立脚相や遊脚相に分けて
述べられているので,それに準拠した形で図にしてみました.
黄色で塗りつぶしたところがKnevoの機能に当てはまります.
バウンシング機構のところに点線になっていますね.
これは開発者のホームページにバウンシングという言葉が入っていたものの,個人的にバウンシング機構ではないと考えたからです.
開発者ホームページを見ると,どうやらイールディング機構と電子制御を組み合わせてバウンシング機構を再現している,というふうに解釈できました.
とてもすごい技術であることには間違いありません.
しかし,バウンシング機構とは少し違うような気がします.
なぜなら,バウンシング機構の特徴のひとつである瞬間回転中心が上方かつ後方に移動することがないからです.
耳慣れない言葉がでてきました.ここで話すと長いので,また別の機会があればお話ししましょう.
Kenevoの立脚相制御は?
- ロック式
- バウンシング機構(もしくはイールディングと電子制御を組み合わせてバウンシング機構をミミックしたもの)
- イールディング

ご意見・訂正などありましたら,ご教示いただければ幸いです.