パラスポーツ

【第4回】パラスポーツってなんだろう

前回の記事は冬季パラスポーツについてでしたね.これで夏季と冬季のパラリンピック競技については一通り説明を終えました
MUDA

これでパラリンピックのことは少し理解ができました!もうパラスポーツことは把握したも同然です!

その程度でパラスポーツを把握したとは情けない!パラスポーツといえばパラリンピックとなりがちですが,他にもいくつか大会があるんですよ!
MUDA

本日の話題:
パラスポーツの大会について

 

この話が役立つと想定される方

・パラスポーツに興味が出てきた人

・パラスポーツの知識を広げたい人

 

 

これまではパラリンピックの競技に焦点をあててお話をさせて頂きました.初めて知った競技があった,勉強になったという方がいたらうれしく思います。今回はパラリンピック以外で国際的にも実施されている総合大会を紹介しようとおもいます.

パラリンピック競技を知りたい方はこちらから

【第2回】パラスポーツってなんだろう

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【第3回】パラスポーツってなんだろう

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パラリンピックの参加条件

大会を紹介する前に,パラリンピックにはどのような障がいを持った選手たちが参加しているか知っていますか?

 

パラリンピックに参加できる選手

  • 切断や車いす(脊損など)の選手
  • 脳性まひの選手
  • 視覚障がいの選手
  • 知的障がいの選手(一部の競技)

 

これらの障がい別世界大会というような位置づけとなっています.この言葉を聞いて,なぜクラス分けという言葉が大切とされるのかピンときたあなたはするどいです.なぜなら,障がいの種類で分けるというのもクラス分けのひとつの考え方だからです.もう1つ押さえておくべきポイントとして,知的障がいの選手は一部のパラリンピック競技にしか参加することができません.参加できる競技は増えてきていますが,やはりすべての選手が参加というようになってないのが現状です.

知的障がいの選手とパラリンピックといえば,多くの話題を集めた2000年シドニーパラリンピックの知的障がいバスケットボール競技で起きた事件もせっかくなので少し触れておきましょう.知的障がい男子バスケットボールの決勝は予選別組で圧倒的な強さを見せていたロシア.しかし,結果は87-63と圧勝でスペインが優勝を収めました.まもなくして,内部告発のような形でスペインチームに知的障がいに該当しない選手が混じっているという報告があがりました.驚くことに,12名の代表選手の内10名が知的障がいに該当しないということが判明しました.これにより知的障がいの競技はいったんすべて除外されているのです.その後国際知的障がい者スポーツ連盟の働きかけにより参加制度の整備が進められ,ようやくスタートラインまで戻ってきたというような現状です.

この発覚が知的障がい選手のパラリンピック参加の幅を狭めたのは間違いない事実ですが,将来的にぶつかる壁であったことも間違いないため将来的な知的障がい選手のスポーツの発展を考えたらターニングポイントになる事件かもしれないですね.

 

聴覚障がいの選手にはパラリンピックの参加資格がない?

パラリンピックの参加条件に聴覚障がいが入っていないけどいれ忘れた?

実は,聴覚障がいの選手はパラリンピックに出場することができないんです.正確に言うと1995年にパラリンピックの組織委員会から脱退してるため,パラリンピック競技に聴覚障がいの選手が参加できる競技が加わることはないといった方が良いかと思います.これは不平等ではないかという声もあがりそうですが,何とも言えない複雑な状況でもあります.なぜなら,1908年のロンドンオリンピックの歴史から始まり聴覚障がいの選手の中にはオリンピックでメダルを獲得している選手が多く存在しているからです.理由として,聴覚障がいの選手ではその他の機能は基本的には問題がないことが多く,オリンピック選手と比較しても不利になる要素が少ないということがあげられます.チームスポーツにおいては声掛けの面で不自由は生じますが,ハンドサインやチームの取り決めなどの工夫により,能力があれば不利な部分が勝敗に直接的な影響を与えないということもあると思います(全員聴覚障がいの選手だと話は変わると思いますが).表現が適切かはおいといて,移籍などで言語がわからない国でサッカーとかバレーをしている人でも高い能力やこれまでの経験からプレーできてしまう人もいるという状況や感覚に近いんじゃないかと個人的には思っています.

また,デフリンピックというパラリンピックに近い高いレベルで行われる聴覚障がい選手の参加する大会があることも大きいです.しかも,この歴史は古く1924年が始まりとされています."あれ?1960年よりも前だ!" と思った方は素晴らしい.わからなかった人はこちらを読んでみて下さい.このように歴史のある大会が以前から存在しておりパラリンピックにこだわる必要がないということも聴覚障がい選手がパラリンピックに参加できない現状が維持されている理由の1つだと考えられます.

もう1つは,聴覚障がいの選手をストレスなくサポートしていくには,同時通訳(手話)の人が必要になることがありますし,何に苦労しているのかの判断も慣れている人でないと想像することが難しいこともあると思います.実際にデフリンピックの運営は聴覚障がいのある方が進めており,良い意味ではルール改正も含めてかゆいところに手が届く運営ができること,悪い意味では他の組織の人間が入りづらく革新的な変化が起きにくい状況になっているんだと思います.

 

知的障がいの選手が活躍するもう1つの大会

最後に,知的障がい選手が参加するパラリンピック以外の大会を紹介しておきます.スペシャルオリンピックスというかっこいい名前の大会こそ,パラリンピック,デフリンピックと並ぶ障がい別3大大会といっても良いかもしれません.ただし,スペシャルオリンピックスは他の大会とは目的が少し違っており,順位は決めるが(競技要素を含んでいるが)最後までやり切った選手全員を表彰するという特徴がある大会です.知的障がいの選手が運動(トレーニング)に取り組む機会を増やすとともに,その成果を披露する場をつくるということが背景にあることから前述の2つの大会とは少し路線が違う大会となっています.

本日紹介した3つの大会をまとめると,このような関係になると思います.知的障がいの選手に関しては,より能力が高い選手や競技性を求める選手がパラリンピックという舞台に立っていると考えるとなんだかパラリンピックの観戦の仕方も変わりますね.ちなみにスペシャルオリンピックスの歴史は1968年のシカゴ大会から始まっています.ちなみに,スペシャルオリンピックスは日本でもスペシャルオリンピックス日本という形で開催されており,私もお手伝いをさせて頂いたことがありますがやはり他の競技大会とは雰囲気が違いました.競技後にみんなで成長する大会とでもいいましょうか.興味があればぜひボランティアで関わってみてください!

将来的には,障がい関係なく混ぜた混合リレーや2019年にあった国立競技場のこけら落としで開催された,オリパラアスリートの混合リレーのような競技も追加されたりオリパラの変わりめで行われたりすると個人的にはうれしいですね.

パラリンピック以外にも大会はあるということがわかりましたか?
MUDA

パラスポーツは奥が深いですね.もっともっと面白い話が隠れてそうですね.

参考資料

・デフリンピック,パラリンピック,スペシャルオリンピックスについて(スポーツ庁HP)(最終閲覧日:2020年6月6日)https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/sports/mcatetop06/list/1371916.htm

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